「設計士が自分で設計した家に住んでみて思うこと」 ~第2回 山陰にパッシブソーラー編1~

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我が家は銘柄こそ言いませんが、パッシブソーラーシステムを導入しています。ざっくし、どんなものかというと、「太陽熱」や「夜間の放射冷却」など自然のエネルギーを利用して、室内に温熱環境を生み出すシステムです。

なかでも、太陽熱による恩恵が非常に高いシステムだけあって、この太陽の出にくい日本海側の地域での採用はかなり迷いました。

通常、このような太陽光系の効率を計算するとき、こちら側では太平洋側の70%で計算します。

自分ちじゃなかったから、怖くて採用できない(笑)
安いもんじゃないしね。

でも、このような太陽熱を利用した暖房の暖かさは、一味違う。「気持ちいい」ということ、それを、これまでの太平洋側での設計経験で体が知っていました。また、間取りへの制限がなくなることも魅力のひとつです。基礎空間から暖気を含んだ空気を、家全体を空気を循環させるので、大きな吹き抜けや、一体感のある間取りが実現します。

住んでいた貸家は、寒かった。広くない部屋なのに、炬燵とエアコン、ふすまを開けるとすぐ暖気は逃げ冷気が吹き込んでくる。そして自然の力に吹きさらされて通気はいいはずの古い家でも、家具の裏が青くカビた。それを見てぞっとした感覚を今でも覚えています。山陰、恐ろしい。住み始めて2年目、冬に心折れて、新築を決意したのもそのころでした。

暖房効率への期待よりも、後記した室内の空気(暖房)の循環に期待して採用したというのが正直なところです。私が自分の家を作るのに最重要だったことは「山陰の湿気」だったからです。暖房は薪ストーブで十分になるように設計しよう、そうしよう、70%でいいじゃないかと判断。

同じような理由で、このようなパッシブソーラーは別荘建築によく採用されます。少ない電力で、年間通して空気循環を行ってくれるからです。オフシーズンの手入れが楽になるということです。

以上が採用に至るまでの設計士の葛藤でした。
次は体感を書く予定。
つづく。



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