2023あゆみ保育園施設

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2023あゆみ保育園

施設

プロポーザルにて受諾した、自然保育の保育園です。設計が始まるとまず、旧園舎と保育の現場をつきっきりで見て回りました。子供たちがよじ登ったであろう丸太の柱や、雑巾がけで磨き上げた黒光りする床。園庭へとつながる開放的なテラス。決して大きな園舎ではないけれども、そこで過ごす子供たちの姿と、園舎への深い愛着が感じられる建物でした。実際に設計者が保育の現場に入り、同じ給食をいただきながらヒアリングを重ねたました。そして、「保育者にとって見守りやすい」ことが、結果的に自主性や子供同士のコミュニティを重んじ、保育園の理念を実践できることに直結するのでは、と考えました。その段階でプロポーザル案からは、建物の形状や構成を大きく変更を提案しました。

大空の下で泥んこになってかけまわる子どもたちを想像したとき、まず思い描いたのが、すべての部屋からかけだせる園庭とのつながりです。園庭には、大きな山があり、草花や木々や畑が育ち、小さな季節があり、その先には開放的な草原の風景が広がります。かけだした子どもたちが、建物の中や外という枠にとらわれず、部屋、園庭、草原、太陽や風、虫や鳥などすべての自然と、のびのびつながっていけるような保育園を目指しました。

おおらかな三角屋根、どこからでも外に出られるテラス、子どもたちが一緒に過ごす大きな家のような空間、どことなく、これまでのあゆみ保育園の面影を受け継いでいるのではないでしょうか。三角の大屋根には、大空に飛び立とうとする紙飛行機のシルエットを重ねました。庭の木々とともに成長し、ここから飛び立っていく子どもたちにとって、 思い出に残る原風景になればと思います。